おぱんつ君物語 1st

師走の気配を感じるころ、塞ぎ込んでいた街に、
少しずつ気が巡りはじめ、行き交う人も多くなってきたように感じます。

ここ数年。
長い人生においては、たかが数年かもしれないけど。
滞留した中でも可能性は無限大だと、おぱんつ君を見ているとそう思うのです。

どこか心強い相棒のような存在。 

そんなおぱんつ君のことをもっと知りたくて、
生みの親であり、モデル、イラストレーターの香菜子さんのアトリエでお話しを伺うことになりました。おぱんつ君誕生の経緯や新しく展開するアイテムについてお届けしたいと思います。


「こんにちは。」 

いつものやわらかい笑顔で迎え入れてくれた香菜子さん。香菜子さんの好きに囲まれる、電気毛布に包まれているような温かいアトリエ。早速、ずいと奥の作業場へ。初期の貴重なおぱんつ君が並ぶ中、クリスマスギフトの準備をしているところでした。




はじまりは

はじまりは、香菜子さんが立ち上げた、HOTEL VILHELMS(ホテルヴィルヘルムス)。ラトビアにある架空のホテルをイメージし、そのホテルで使われているであろうアイテムを展開している。ホテルのロビーに忘れられていた、という設定のくまのぬいぐるみがいて、生地が余っていました。生地がある、綿がある、フリーハンドで線を描き、切って縫って、そのうちに得体のしれないものがうまれた。おぱんつ君の誕生は、ステイホームの最中、皆の気持ちが一番ふさがっているときでした。


最初はノーパンだった!

染色家の家で育ち、常に道具と道具を使う場所があり、お父様の側で何かしら作って過ごしていたという。また、お隣は布団屋さんで、あまったかわいい生地をもらっては、クッションを作っていました。そのうち手芸本でパンツの作り方をみつけて、作ってみたら、はけて、楽しくて、何枚も作っていたんだそう(かわいい)。時を経て、ノーパンのおぱんつ君に、何か足りない、あ、パンツかわいいかも。そうして、前身といえるおぱんつ君が誕生するのです。


娘さんのかわいい!の反応に可能性を感じた

香菜子さんには、娘さんがいらっしゃいます。当時21歳だった娘さんの反応がとてもよくて、思い切ってインスタに投稿。そして、今のようにたくさんの方に愛されるようになったきっかけは、子どもの本専門店 メリーゴーランド京都 店長 鈴木潤さんとの出会い。予定されていた展示会が緊急事態宣言によってキャンセルになり、オンラインで何かできないか、子どもが遊べるものがいいねと。試行錯誤の末、おぱんつ君のZINEと風船、包装紙、シールのセットを販売。つづいて、JINNAN HOUSEでの展示会。

それらを皮切りにどんどん進化するおぱんつ君、いや、香菜子さん?
ぬいぐるみがうまれ、愛され、
誰かのアイデアでキーホルダーがうまれ、誰かの心を癒し、
絵本がうまれ、おうち時間の親子を救う。

みんなでおぱんつ君を育てているようで、
正に正のスパイラル、愛されるがゆえの健全な道。


「君、かわいいな。」

香菜子さんが最も大切にしていることは、手作業から外の力を借りることになっても、自分の手を加えること。「君、かわいいな」と声をかけながら、ひとつひとつ整えて送り出しています。それから、「絶対に楽しいって思いながらやりなさい」本格的にものづくりをはじめたときにかけられたお母様の言葉、そして常に創造の世界にいた幼少期。おぱんつ君の背景には、ご両親の存在も欠かせないのかもしれません。


このたび、おぱんつ君ポーチが誕生!

ウルトラマンのように背中にファスナ―がついている「おぱんつ君ポーチ」が新しく登場しました。見てみて!中は肌色の布を使ったの!リアルでしょう!・・・。イメージとは真逆の発想をキラキラとしたまなざしで愉快に話す香菜子さん。まっすぐで面白い。ふたりの今後の動向に目が離せません。


-ロタ-
⾹菜⼦としてモデル活動をする傍ら、2020年よりロタという名で創作活動をスタート。

ふわふわやわらか愛らしいおぱんつ君ポーチ。
この時季は、ホッカイロを入れて使うのもいいかもしれませんね。もちろん、
文房具やティッシュ、小物などを納めるのに丁度いいサイズ。是非、相棒に招いてみてはいかがでしょう。ギフトにもおすすめです。

ポーチのご購入はこちらから。

 

photo by Taro Oota
interview & text by Miho Akahoshi
おぱんつ君物語 1st