小さな小さな世界観を楽しむ 〜 中島完(ナカシマユタカ)さんの茶箱の道具たち 〜


- 口切りの茶事 -

ご存知ですか?立冬から初冬にかけて行われる口切りの茶事。
口切りとは、5月に摘んだ新茶を茶壷に入れ熟成させ、11月に茶壷の口の封を切って新しいお茶を使い始めることです。

5月から11月まで茶壷の中で熟成された茶葉を茶臼で挽いた抹茶を点てて客に出す茶事を「口切りの茶事」と言い、古来、茶人の正月とも言われるほど厳粛なもので、この時期、茶道の一年の始まりにあたるそうです。

厳かな茶事も貴重な体験ですが、公園のベンチや山登りの途中など、
中島さんならではの小さな茶箱の道具を携えて嗜む一服も、また一興ではありませんか?

 

 
【 小壺 】
お抹茶を入れる為に作った物。
お抹茶以外にも、塩や薬味入れとしてもお使いいただけます。


小さな轆轤で作り出される小さな花器。
様々な形で、選ぶ楽しみがあります。


〜作陶への想い

この小さな茶道具を作陶しようと思ったきっかけは、茶道具を知るためにお茶のお稽古に通う中、茶箱手前を習ったのがきっかけとか。
とても興味深く、楽しい道具だと思われたそうです。抹茶を点てる為の最小限のアイテムで、どこでも一服できる事、作っては使いながら今に至るそう。
中でも最初に作ったのは振出し。


【 振出し 】
振出しは、金平糖や豆菓子など、
小さなお菓子をいれるための道具とされています。
蓋は昔からの製法で、トウモロコシの実をつつむ皮でつくります。

 

〜異なる表情を楽しむ

使う道具に合わせて、焼成方法も電気窯や薪窯、楽窯や野焼きとさまざま。
焼成を変えるという事は焼く前の土も釉薬も違います。その作業も面白く飽きることなく挑戦されています。
 
お菓子入れとしてお使いいただけます。
アクセサリーなどの小物や、薬味入れにも良いです。
それぞれ異なる焼き方で、雰囲気の違いに選ぶ楽しみがあります。


お菓子をのせて楽しむための皿。
また、一輪挿しやお香立てとしてもお使いいただけます。
小さな小物入れとしてインテリア使いするのもいいですね。

 

〜愛すべき道具に出合う

しっとりしたものからカラフルなものまで、今回特別にJINNAN HOUSEをイメージして作ってくださいました。今年は一気に冬模様ですが、是非、自分好みを見つけて、温もりのある一服で豊かな時間を過ごしていただければと思います。
きっと手放せない愛着のある道具になるでしょう!

 

【 蓋物 】
香合。香を入れる蓋つきの器のこと。
お菓子入れとしてもお使いいただけますが、
アクセサリーなどの小物入れや、薬味入れにも良いです。

茶巾をしまう為の物。
それぞれの茶巾が入るように、古布で作った仕覆(しふく)付き。
一輪挿しとして使うのも面白い作品です。
※仕覆:茶道具を入れる袋のこと。

 

 
かわいらしい小さな小さな中島完さんの茶箱の道具たち。
茶事だけにとらわれず、日常のお気に入りのタイミングに、そっと心安まるひとときの添えてみてはいかかでしょうか?

 
■中島完(ナカシマユタカ)

広島県出身。
メインの作品は小さな茶道具たち。瀬戸・美濃の土でひとつひとつ轆轤で作り出される個性豊かな作品が特徴。土も釉薬も独自に調合し、焼成法も様々に手法を変えながら”道具”としての使いやすさ、時代ごとの茶道に囚われない世界観が作品の魅力で、小箱に好みの道具を選びつめる、その時々で道具の組み合わせを考える面白さを感じられるよう作品を作っています。

 

小さな小さな世界観を楽しむ 〜 中島完(ナカシマユタカ)さんの茶箱の道具たち 〜